2024年5月28日火曜日

格安3Dプリンタをレーザー加工機に作り変える(②可動部分の用意、実験)

■解体
レーザー加工機を作るために、格安3DプリンタLabists X1を改造する。


元の制御基板と、エクストルーダー周りを取り除いて、X,Y,Z 3軸のステッピングモーターおよびリミットスイッチの配線だけにする。
リミットスイッチはマイナス側のみで、プラス側には存在しない。また付け足してもいいかも。


エクストルーダーを取った後のハウジングはこんな感じ。
金具部分に加熱・押出装置が、反対側のガワにはファンが付いていた。


■ステッピングモーターの動作試験
ステッピングモーターを試しに動かしてみる。

ステッピングモーターの型番を調べてみると、24BYJ48という機種の12V版で、4ピンのもの。バイポーラ型というらしい。
2系統の電磁石を、決まったパターンで励磁→待機→励磁→待機・・・とさせることで、モーターが正確に回転する。

■ステッピングモーターの1-2相励磁制御
1-2相励磁という制御を行うことで、45度ずつの回転を実現する。
簡単に図示すると、こんな感じ。
左と上の電磁石を8パターンで順番に切り替えていくことで、中心の永久磁石を正確な角度で順番に回転させることができる。

■回路
ドライバにはTA8428Kを2つ利用。マイコンはRP2040。
動画で実際に使っているのは市販のPi Picoではなく、東京バードさんの自作基板の記事を参考にガーバーデータを頂き基板を発注して作ったブレークアウト基板。
実体配線図。ICはピン互換の別ICを流用。
本当はVSYSではなく外部電源を使わないとダメ。
また、今回のモーターには12Vが必要。

励磁させるときは、モータードライバの前転/逆転(入力:H/L, L/H)を使う。
励磁無しのときは、今回は入力をL/Lとして、電磁石の両端をハイインピーダンスにした。
もしかすると、入力をH/Hとして電磁石の両端を直結させるブレーキモードのほうが、瞬時に磁場が消えてより高速な動作ができるかもしれない。
今度試してみよう。

■励磁時間を変えての実験結果
励磁してから次のパターンに移るまでの待機時間を変えて、実験してみた。
モーターの音が変わるのが面白い。

350us: "鳴き"は聞こえるが一切動かない。
400us: 下降するが、上昇できない。
500us: 上昇させる秒数が増えると時々回りそこないが発生する。
600us: 500usと同様。
700us: ここまで待たせると安定動作した。

ちなみに、待機秒数と周波数、ドレミの関係はこんな感じ。
us Hz kHz 近い音階
350 0.002857143 2.857142857 ファ6~#ファ6
400 0.0025 2.5 #レ7
500 0.002 2 シ6~ド7
600 0.001666667 1.666666667 #ソ6
700 0.001428571 1.428571429 ファ6~#ファ6
待ち時間が半分になると周波数が2倍になり、音階もオクターブ上がる。

Z軸のモーターに対し5Vを印加したので700usが限界だったが、X,Y軸や12V印加なら全く違う結果になるのだろう。
消費電力とトルク、速度はトレードオフになりそう。


実際にはCNCシールドを使うが、まずはうまく動かせそうなことが確認できてよかった。
以上、続きは大陸から部品が届いてから。

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