2024年2月27日火曜日

低融点半田

基板から部品取りするとき、普通の半田を使うとなかなか難しいときがある。
そういうときに、低融点半田というものを使うといいらしい。
しかし安くないので、自作するという手があることを知った。
■参考URL:http://zatubun.nis-lab.moo.jp/?eid=680&target=comment

この半田、再利用もできるみたい。

先人たちの取り組みを拝見すると、安く済ませたいならダルセ合金がよさそう。
ビスマス50:錫25:鉛25の合金で、融点は96~98度とお湯でも溶ける。
インジウムを加えると更に融点が下がるが、価格も上がる。

あとは素材を買いそろえるのみだが、どこで買うかが悩ましい。
ビスマスでヒットするのは次のところとか。
https://www.tin-alloy.com/

ビスマスの結晶、Wikipediaから画像借用

調査継続中。



2024年2月25日日曜日

GPSと地磁気センサで、目的地までの距離と方角だけを出す簡易ナビを作る

タイトルの通り。
LSM9DS1をいじっていたのは、これを作るため。

いいアイデアだと思っていたが、既に先駆者がいて製品化までされている。(https://www.plotonline.com/motor/beeline/
先を越されたのは悔しいから、こっちはネット環境無しでも使えるものを目指したい。
今悩んでいるのは、目的地の緯度・経度をどうやって入力するか?
今のバージョンは、プログラム中に直打ちしてしまっている。

プロトタイプ
左上のマスキングテープの下にLSM9DS1がある
GPSはm5純正品、U032というやつ
完成したら円形液晶とか使って格好よく仕上げたい

コード実行だらけのUI FLOW
素直にmicropythonやArduino C++を使ったほうがいいのかもしれない

初代m5stickc用の.m5fをgithubに上げたので、詳細な中身が知りたいときはそちらをご覧ください。
https://github.com/matsuura-h/lsm9ds1_micropython/tree/main
■方角検出
地味に苦労したのは、磁気センサの値を方角に変換する部分。
atan2に行きつくまでに相当時間がかかった。
地磁気のx, yをプロットしてみると、中心が相当ずれていることがわかる。
現物合わせだが、コード内に直書きでx+0.03, y-0.25の補正を加えている。
本来はoffsetをセンサに書き込むべき。
補正後のx,yを、参考URLのように位相を横軸にプロットしてみる。
それなりのsin, cos波になった。

ちなみに、LSM9DS1をGPSやm5stickcの傍で動かすと、磁界の影響でめちゃくちゃな値になるので注意。

atan2で処理した後も、まずラジアン角から度に直し、±180度から0-360度レンジに変換し、さらに東西南北=90度-270度-180度-0度になるように補正する必要がある。

コード例は以下の通り。
mx0,my0,mz0 = lsm.read_magnet()
deg = math.atan2(my0-0.25, mx0+0.03)*180/math.pi
deg = deg if deg >= 0 else 360 + deg
deg = (deg + 180) % 360

1行目は、自作ライブラリで磁気センサを読み取る部分。
2行目でオフセット補正+角度算出+ラジアン→度への変換をやっている。
続いて、3行目で±180から0-360度に変換。
最後に、このままだと南が0度なので、180度回転させている。
もしセンサを裏表逆に使う場合、最初に正負逆転させるか、atan2の引数の符号を変えることで対応可能。

実際に動かしてみたときの動画
薄い赤の△が北、黒の▲が目的地の方角を示している
m5stickcの描画が遅いのでブレがあるが、ロジック自体は問題無し
あとはフィールド試験




2024年2月24日土曜日

m5シリーズのUI FLOW, micropythonでLSM9DS1を使う

m5のUI FLOWやmicropythonでLSM9DS1を使えるlibrayを作成。
手っ取り早く使いたい方は、githubに説明とコードをupしたので以下を見てください。

秋月のLSM9DS1使用9軸センサモジュール AE-LSM9DS1-I2Cを買ってきて、m5stickCやm5atom matrix, liteで使おうとしたらひとしきりハマりました。

LSM9DS1は、1つのチップにそれぞれ3次元の加速度センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサが詰まっていて、9軸自由度=9DoFセンサと呼ばれるもの。
今回はこのうち地磁気センサ、つまり電子コンパスを使う予定。
そもそも6軸imuなら多くのm5デバイスやスマートウォッチにも入っていて、作例も豊富だけど、意外と地磁気センサを使う作例は少ない気がする。

(画像は秋月電子より借用)



LSM9DS1は秋月やスイッチサイエンスでも手に入り、値段もたぶん一番安い。
しかしながら真面目に使おうとすると、分解能を設定し、各センサ値を2byte リトルエンディアンで読み取らないといけず、ちゃんとドキュメントを読まないと手も足も出ない。
自ずから既存のライブラリに頼りたくなるのだが、そのライブラリがArduino C++やcircuitpython向けしかない。

micropython、m5用は全く無い
タコ猫が出てしまう

また、既存のライブラリを移植しようにも、UI FLOWで簡単に使えるI2Cと微妙に読み書き関数の仕様が異なるので、そこの読み解きが難しい。
そして、UI FLOWで使われているi2c_bus.easyI2Cもまたリファレンスや作例がないので模索しながら構築した。

3日以上格闘した結果何とか動くものができたので公開しました。