2024年8月16日金曜日

オーディオの電源検討

■前提

BLE→I2S→パワーアンプ→スピーカという構成でオーディオ環境を構築しようとしている。 BLEで繋ぐと、PCでもスマホでもワイアレスで簡単に運用できて便利。

  • 機器構成
    • BLE→I2S
      • M5ATOM Lite
    • I2S→アナログ
      • PCM5102A
    • アナログのパワーアンプ
      • 自作の386アンプ or ぺるけさんのTourer Part5
  • 各機器の電圧と消費電力
    • M5ATOM Lite
      • 5V or 3.3V
      • 80mA-125mAくらい
    • PCM5102A
      • 3.3V or 1.8V※デジタル部のみ
      • 10mAくらい
    • パワーアンプ
      • 12V
      • 数百mAくらい
  • 希望スペックというか制約条件
    • それぞれ必要な電圧が違うので、電圧変換が必要。
    • 主電源は12V1系統にしたい。(秋月ACアダプタ)
    • コンバータや3端子レギュレータはなるべく減らしつつ、省エネにしたい。
現在、バラック構成で複数系統の電源を繋いだ状態ではいい感じの音で鳴らせている。
これを、ひとまとまりのシステムとしてまとめたい。
そのために、電源をなんとかしたい。




■検証1:レギュレータ1発
NJM722333で単純に降圧し、ATOM LITEとPCM5102を繋いでみた。
12V->3.3Vでは電位差が大きすぎて、ヒートシンクをつけても手で触れないくらい熱くなる。
電流を計ってみると80mAくらい。
(12-3.3)*0.08=0.696≒0.7Wの消費。

■検証2:スイッチング電源
熱対策で、DC-DCコンバータを仕込んでみる。
12VからDC-DCで5Vを作ってそのままATOM LITEに入力し、さらに5V->3Vを722333で賄ってDACを動かすようにする。



NJM2460かMC34063を使えば、僅か8点で12Vから5Vが作れる。
ブレッドボードで上記の回路を組んで、定数と種類を変えてうまく動くか試験してみる。
しかし、ATOM LITEを動かせるくらいの電力を賄おうとすると、正しいパーツを選定しないといけない。

具体的には、C1の容量、L1のインダクタンスと種類が重要。
最初、有り合わせでC1に103=0.001uFを使っていたが、周波数が足りないようでどのL1と合わせても、無負荷では5Vになるが、マイコンを動かすだけの電力を作れなかった。
C1を先人の回路に合わせて470pFにしたうえで、L1も値と種類を変えて試してみたが、マイクロインダクタでは十分な電力が取れなかった。
マイコンどころか、100Ωの抵抗を繋ぐだけで電圧降下してしまう。約50mAの負荷にも耐えられないということ。

スイッチング周波数を計算すると、だいたい470pFでは40kHzで、0.001uFだと半分の20kHzになるようだ。

左の3つはNG,右の3つはOKで、特に一番端の220uFが安定した。
どうも、十分なコアを持つ巻き線型でないとスイッチング電源には不向きのよう。
今回は検証していないが、ダイオードも高速かつ低閾電圧のものを選ぶ必要がある。逆起電力への耐圧も必要。

奥深い。

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2024/8/18追記
スイッチング電源はうまく動いたものの、どうしてもノイズが乗ってしまうし、ATOM LITEの起動時のコンデンサの電荷の溜まり具合などの影響か、マイコンの起動がうまく動く時と動かない時があって安定しない。
また、7805で12V→5Vを作ってから他のLDO、AP7375で3.3Vを作るようにし、ATOM LITEは5Vで動かすようにすると、意外と大したことない発熱で済んだ。

7805側は、(12-5)=7Vで80mA、0.56Wの消費電力。小さいヒートシンクか、アルミケースに接触させれば十分放熱できた。
AP7375は、(5-3.3V)=1.7Vで20mA程度のため、34mW。SOT-23でも基板と配線だけで十分放熱できていた。
2段階で降圧することで、1段目のLDOの電位差が1.7V, 136mW減少する。数字で見ると大したことないが、いざ手元で作ってみると馬鹿にならない違いだった。
事前にあれこれ希望スペックを出して考えていたが、机上の空論よりまずやってみることが大事かも。

上記より、スイッチング電源は諦めて、LDOのみの構成とすることにした。

セラコン、マイクロインダクタ、3.3V LDOは表面実装にしたので表面はほとんど部品無し。
細かいので最初は手間取ったが、慣れればリード部品よりも早く実装できるくらい。
7805は実装面積を減らすため、基板裏面に配置し、そのままアルミケースに接触させるつもり。

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2024/08/26追記
今回の方式、単電源をそのまま使う386アンプではうまくいくが、ぺるけさんのTourer Part5ではうまくいかない。12Vを内部で疑似的に±6Vにして中点をGNDとしているので、そのままだとBLE DACのGNDとパワーアンプのGNDが異なってしまうため。
これを解消するため、7805の代わりに、12V→5Vの絶縁型コンバータを購入予定。
小さい巻き数2:1のトランスに12V方形波を突っ込めば何とかなりそうな気はするが、500円で買えるのでわざわざ組むより買うことに。

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