2025年4月29日火曜日

Mini Champ 5C1を作る

Champ 5F1もどきがうまくいったので、次は5C1を作ってみる。

というのも、Mini 5F1はMT9→MT7という並びがちょっとアンバランスに見える。
また、今まで5F1しか作ったことがないので、プリが5極管のときの音も聞いてみたい。

■真空管の選定

本家は、プリ6SJ7→パワー6V6GTという構成。5極管+5極管。

プリに使えそうなMT管を調べてみると、6AU6ファミリがちょうどよさそう。

パワー管は12AQ5を使いまわしたいので、プリ12AU6→パワー12AQ5の組み合わせに決定。

■回路図、実態配線図

回路図はhttps://www.google.com/search?q=5C1+schematicで探してください。

よくあるシングルアンプだが、初段はグリッドリークバイアスによって部品点数を削減しているのが面白い。
プレートがそのまま接地され、第1グリッドにはグリッドリーク抵抗5MΩをつけて、コンデンサを挟んで入力を受けている。
このカップリングコンデンサを除くと、初段のバイアスが崩れるので要注意。

定数は以下のように置き換えています。
常備部品に1Mを超える抵抗がなかったので、急遽aitendoで部品を追加した。
 5MΩ→4.7MΩ、2MΩ→2.2MΩ、500Ω→470Ω、25kΩ→22kΩ、8uF→6.8uF

実態配線図はこんな感じ。昇圧関係は5F1の記事参照。
特筆すべきところは無いけど、MT9の双3極管からMT7の5極管になったことで相当回路を組むのが楽になっている。
工作初心者には5C1のほうがおすすめ。

■実物

で、できたのがこれ。
前作と違い、パワー管を少し左にオフセットさせている。

 

5F1で感覚をつかんだので、相当早く作れるようになった。
1番時間がかかったのは、プリ管に採用した12AU6のオークションでの到着待ち。

はらわたはこんな感じ。
だんだん感性がマヒしてきて、まだまだスペースがあるように感じてしまう。

今回は、3Dプリンタの活用範囲をさらに広げた。
FET固定だけでなく、コンデンサの固定台も作成。
OPトランスのネジと共締めできるようにしている。


これは没だけど、よそで使えそう。

左から5C1、5F1、某Fuzzエフェクターのコピー。
アンプが小さすぎてエフェクターがバカでかいように見えてしまう。

裏面。

■試奏
住宅事情もあり大した音量は出せていないが、5F1よりもなんというかギラつきがあるように感じる。
ボリュームを絞ったときのコントロールのしやすさはこちらのほうが明らかに上。やはり12AX7の2段はゲインが有り余っているのでは?
この違いが、パワー管で歪ませるときにどう変わってくるかは、またしっかり音を出せる環境で検証してみたい。

以上

2025年4月17日木曜日

Mini Champ 5F1を作る②

 ①からの続き

手乗りアンプができた。音もいい感じ。ちゃんとFenderの音がしている・・・気がする。

いい具合にスタックできる。
はらわたはこんな感じ。行き当たりばったりで組んでしまい、相当汚くなってしまった。電源系とボリューム周りはユニバーサル基板で組んだほうがいいのかも。

これは3Dプリンタで作ったナット固定治具。TO-220の穴に合わせてナットを固定できるようにしている。FETをケースにねじ止めするときにめちゃくちゃ楽になる。


途中経過。このときはまだ整然としていた。

実態配線図。実際に作ったものとは配置が微妙に異なるが、回路は同一。




2025年4月14日月曜日

Mini Champ 5F1を作る①

ぺるけさんの真空管式とトランジスタ式ミニワッターが完成してオーディオ環境は十分になった。次は真空管のギターアンプが欲しい。

実家に昔作ったChamp 5F1のデッドコピーはあるものの、音もボディも大きすぎる。

また、ずいぶん昔からB電源にスイッチング電源を試したいと思いつつ何度も挫折してきたので、そろそろリベンジしたい。

というわけで、信号は5F1系のフルチューブ、B電源は自作のチョッパー、A電源は12Vのスイッチング電源という構成で考えてみる。


■参考文献

TENTECさん:https://marinesnow-jp.jimdofree.com/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0/%E7%9C%9F%E7%A9%BA%E7%AE%A1%E3%83%9F%E3%83%8B%E3%82%AE%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%97/mini-fender-champ-aa764/

真空管は熱い!さん:https://vacuumtuber.com/2024/10/29/post-2161/

前者は小型化、チョッパーの実装が大変参考になる。使うコイルの種類や値、FRDを1JU41にするなど、色々真似させていただいた。小型ケースに詰める技術も凄まじい。

後者は球と回路定数の選定で参考にさせていただいた。6V6系の選択肢として6AQ5があると知り、その家族の12AQ5を使うことにした。


■回路の実験

電源は12VからDC-DCチョッパーで250Vを作る。6V6よりも6AQ5のほうが耐圧が低いみたい。6Vを作るのが面倒なので、12AQ5にする。

定数は5F1と先人のものをほぼ踏襲。

ブレッドボードで試作。結構いい音。スピーカーは昔作ったFE83Eで、相性いい。

12AQ5が東芝製なので、プリにNEC製の12AT7を組み合わせてみた。

チョッパーも無事動作。10年以上失敗を繰り返してきたけど、原因はFRDとコイルとMOS-FETの選定ミスとわかった。まずは、素直に先人と同じ部品を買ったほうがいいというのが教訓。
FRDはとにかく応答が早く電流を多く流せるものがいい。電圧降下を気にするのはその後。
コイルはスイッチング電源用、大電流を流せるものにする。また、インダクタンスは大きければいいというものではないので、スイッチング周波数や取り出す電圧に応じてチューニングが必要。今回は220, 470, 680, 101, 221, 471を買いそろえて実験し、やはり221と結論になった。 
MOS-FETはRonとton/toffが重要。その次に入力容量。どれも小さいほどよい。

■実装前編
ブレッドボードでうまく動いたので、まずチョッパー部分をコンパクトに実装してみる。


実際に組むとこんな感じ。表面実装部品のお陰で相当コンパクトになった。FETは2SK3234で、秋月で手に入る。

ケースを加工していく。TENTECさんに刺激され、タカチのHammond 1590A互換で組む。

真空管とトランスを載せたところ。

トランスはT-600で、中身をひっくり返して足を内向きにまげて設置。新たに買ったねじ切りタップのお陰で、真空管ソケットとかをナット無しで固定できてめちゃくちゃ楽。

手乗りサイズなのに立派に真空管アンプなのが面白い。

VRを9mm角に付け替えたいのと、1.5kΩの抵抗が材欠なので、残りの実装は部品が来てから。